message – 【slip-on dress】
suzuki takayukiの服の中で、定番的に作り続けている”slip-on dress”についてお話しさせていただきます。
slip-on dressは、シンプルなプルオーバータイプのワンピースドレスです。
20世紀初頭のヨーロッパの普段着をモチーフに、解体と再構築を繰り返し作り上げたものです。
何シーズンも前から繰り返しお出ししているもので、今まで、細かなパターン修正などでマイナーチェンジを繰り返し行ってきました。
着丈やディティールのバランス、生地の分量や質感、使用する芯地の種類、また、裾や袖口の仕様など、ぱっと見ではわからない部分も細かく変更を重ねています。
最近では、コットンとレーヨンの混紡素材のサテン生地を定番生地として使用し制作しております。
この生地は、レーヨン特有の落ち感のある雰囲気や控えめで上品な光沢感がとても美しいものです。
(このslip-on dressは、過去には薄手のコットンシルクの生地や、麻素材でもお作りしたこともあります!)
suzuki takayukiが定番的にお出ししている服に関しては、もちろん、その時の時代感や、コレクションのテーマなどに合わせてデザインの変更をすることもあるのですが、
何より、着心地や着やすさなど、着ていただく方がどう感じてくださっているかということを考えながら変更する事の方が多いです。
特に着丈は、本当に悩ましい部分です。
suzukiスタッフ内でも、150cmくらいから165cmくらいの身長の幅があるので、『どんな体型の方にも着やすい』というのはとても難しいです。
suzuki takayukiでは、様々な要素、相反する雰囲気が混在し、それがギリギリのところでバランスを取っているものが理想だと思っています。
そういったものは、着ていただく方次第でその方に合った要素が引き出され、年齢や体型に関係なく、素敵に着こなしていただけるものになるからです。
今のslip-on dressは身長が低めの方でふくらはぎくらい、高めの方でもひざ下くらいの丈感なので、さらりと1枚でも着やすい丈感になっております。
そのまま1枚で着てパンプスなどを合わせて頂きますととフォーマルな印象にもなりますし、ボトムにパンツやスカートを合わせて頂きますとカジュアルな雰囲気になりますので普段使いとしても使いやすいです。
サテン生地の光沢感は少し抵抗がある、という方もいらっしゃるかと思いますが、控えめな光沢感なのでお試し頂けたら嬉しいです。
また、生地が見た目よりもしっかりとしておりますので、透け感も無く、安心して着用していただけます。
袖下や襟の付け根のパターンの構造、後ろ中心と袖のギャザーの入れ方、生地の分量、ボタンの種類などのディティールなど、細部に至るまでこだわりの詰まった1着になります。
今後、esseismサイト内でも公開予定ですので、是非ともご覧下さいませ。