message – 【2022 spring-summer collection “liquid sunshine”】


message – 【2022 spring-summer collection “liquid sunshine”】

 

 

 

 

liquid sunshine

 

 

 

昔から 天気の変わり目が 好きだ

そして そういう瞬間に 立ち会うことが多い
もしくは 印象深く心に残っているが故に そう思うだけかもしれないが

 

 

雨が 好きだ

降り始める瞬間の高揚感と
降り続いている間の贅沢な時間と
止んでいく時の晴れやかな気持ちと

 

 

特に天気雨は 別格で
その短い時間の中に たくさんの感情が生まれ
お気に入りの映画をみているような 豊かな気持ちになる

 

 

天気雨は 吉兆の知らせだそうで

空気を浄化し 虹を呼び 新たな旅立ちを示唆させる 事柄らしい

 

 

 

 

世の中に 良き変化が 起こりますように

 

 

 

 

 

suzuki takayuki


 

今シーズンのテーマは、〝 liquid sunshine 〟
〈 天気雨 〉をイメージして作ったコレクションです。

 

昔から、天気の変わり目に会うことが多いと感じています。
もちろん、自分が好きなので、単純にそう感じているだけかもしれませんが、、、、。

刻々と変わっていく天気を眺めていると、
その変化に心躍らされ、とても満たされた気持ちになります。

 

特に天気雨は 別格で 、
なかなか立ち会う機会がないからかもしれませんが、
出会った時は、何年も探していた絶版の本を偶然見つけた時のような、
自分の感性とピタリと合った骨董品の器に出会った時のような、
えも言えない感動があります。

そして、その天候の変化の中で、短い時間の中に たくさんの感情が生まれ 、
お気に入りの映画を見ているような 豊かな気持ちにさせられます。

 

昔から、なぜか雨が好きです。

晴れの日とは、違った時間の流れに魅かれます。
ゆっくりと、落ち着いた、贅沢な時間の流れを感じます。

何も考えずに、その時間の流れに身をまかせるのが好きなのです。

 

〈 天気雨 〉は、日本だけではなく、世界的に見て、
浄化や豊作の予兆などと言われることも多く、
良い転換への区切り、切っ掛けというような意味で捉えられていることが多いらしいです。

 

社会は、前進と後退を繰り返しつつ、色々なことを探りつつ、
少しずつ、前へ進んでいるとは思いますが、まだまだ、不安な日々が続いております。

この春夏シーズンの服を皆さまに着て頂く頃には、
何かもっと良い兆しが見えていることを願い、
そんなポジティブなイメージを思いつつ、今シーズンの服を作りました。

 

シーズンカラーには、水を表現した”navy”を選びました。
透明感があり、濃色でがありますが、透き通ったネイビーを作りました。

また、今回も”navy”の色幅は広く、素材によって、
濃紺から、爽やかなブルーに近い色、透明感のあるパープルに近いネイビーなど、
たくさんの navy をご覧いただけます。

そして、空から落ちてくる雨のイメージを、ストライプの柄で表現させて頂きました。
ストライプにも種類を持たせ、
それぞれに、にわか雨や、霧雨、土砂降りの雨など、
雨の種類を色名としてをつけさせて頂きました。

 

ここ何シーズンか、手紡ぎ手織りのコットン生地である、
インドカディーの製作を実験的に行ってきました。

前回は、無地の軽やかなものを作っておりましたが、
この春夏コレクションでは、5本を一組としたオリジナルのストライプ生地も製作いたしました。
これは、楽譜の五線譜をイメージしたもので、
印象的な雨の音、木々の葉や、屋根や地面を叩く音をイメージしています。

 

春夏シーズンですので、今回も麻生地をふんだんに使用しております。

極細の糸を使ったガーゼ調のものから、
太番手の糸を使って、しっかりと織り上げた重厚感のあるもの、
ワザと節のある糸を使い、緩めに織り上げて加工で縮めたものなど、
同じ素材でこんなにも振り幅があるのかと、作りながらとても楽しくなってしまいました。

 

振り幅のあるテーマカラーに加え、様々なストライプを使用し、
糸の撚り方、織りの密度、加工の種類など、いつも以上にこだわり、
生地の肌触りや、量感、重さを吟味しながら複雑な展開を作り上げた、
非常に見応えのあるコレクションとなっております。

 

ぜひ、お楽しみください。

 

 

スズキタカユキ

 

 

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