< TK × suzuki takayuki collaboration items vol.5>
“raven’s coat”
今回のコートは、
後ろのベンツを大きく開け、広げた様子が、
羽根を広げたワタリガラスをイメージさせる、裾分量を少し多めに取ったコートです。
ハリのある薄手のコットン生地を使ったこのコートは、生地分量が有るにもかかわらず、
軽やかで羽織りやすく、使い勝手の良いものに仕上がっています。
今回は、down-proof-cloth と言う生地を使っています。
元々、ダウンジャケットなどに使用され、羽毛を通さない様にきめ細かく織り上げた生地です。
薄くて風を通しにくく、軽やかな素材になります。
今回はさらに、そこに特別な加工を加えることで、
ハリがありながらも、程よい柔らかさを感じさせてくれるものに仕上げました。
きめの細かい生地が風を受け、
贅沢に使用した生地と、大きく開けたセンターベンツが、風を感じさせてくれます。
軽やかで心地よい、爽やかな風を感じさせてくれるコートです。
そして、細かなディティールにも、二人のこだわりが詰まっています。
後ろ中心のセンターベンツは、通常のものよりかなり切り込みを深く入れ、
ボタンで留め外しが出来るようにしてあります。
ボタンを外していただくと、かなり広がりが出て、美しい生地の流れを感じさせてくれます。
袖口は、袖をまくることを考え生成りの生地を裏側に当てています。
折り返した時にアクセントとなってくれます。
また、スリットを入れることにより、少し細めの袖を通しやすくしています。
その他、ポケットの袋布や、前開きの仕様、襟の大きさや襟先の開きなど、細かく調整を重ね、
ラフさと上品さのバランスを緻密に検証しながら、特別な1枚に仕上げました。
北欧神話や旧約聖書など、世界中の神話に登場する“ ワタリガラス ”、
アイヌの神話にも登場し、「導く者」として存在する特別な存在です。
そんな“ ワタリガラス ”をイメージした、コートを是非羽織ってみてください。
【TK様コメント】
suzuki takayukiにありそうでなかったコートを作って頂きました。
半袖を着たい時も長袖を着たい時もどの季節もさっと羽織れるコートは、
年中気温が一定に保たれているスタジオに行く時も頼もしいお供になります。
重たくなりがちなロングコートも袖を切り返すと生成りの生地とスリットがアクセントになる様になっています。
僕はギタリストあるあるなのか(ない?)、手が出ていないと落ち着かないので
裾を折った時にもワンポイントになるのはとても嬉しいです。
背面のボタンの切れ込みやタグ、ボタンの配置などタカユキさんとの拘りが詰まっています。
ジャストに着ても大きめに着ても体型を気にせずコーディネートしやすいアイテム、
また最高のお気に入りが出来ました。
魔性の二色展開、皆さんはどちらがお好みですか?
photographs : yuki kawamoto
hair&make up : yoko fuseya(ESPER)